沢田内科医院で8月23日~9月17日の4週間研修させていただいた研修医の萩野哲広と申します。元々沖縄での地域医療研修の予定でしたが、新型コロナウイルスの関係もあり、縁あって、こちらで学ばせていただくことになりました。当初は離島での医療を経験できないのは残念でしたが、今では沢田内科医院で研修することができて本当に良かったと感じております(もう一回選べたとしても、もう一度沢田内科を選びたいと思うくらい良かったです)。澤田直也先生、美彦先生、スタッフの方々、何より患者さんとの出会いは私にとって貴重な財産となり、忘れられない思い出となりました。本当に感謝しております。

 沢田内科医院の1日は朝から夕方遅くまで本当に多忙です。朝の入院患者の回診から始まり、たくさんの患者さんの外来、その合間を縫っての胃カメラ、大腸カメラ、エコー検査などなどやることはたくさんあります。先生やスタッフの方々は息つく暇もありません。私は直也先生と四六時中ともに行動させていただきましたが、直也先生はとにかくエネルギッシュでした。先生の診察や手技は丁寧かつ正確であり、一切無駄がありません。診察方法や考え方など毎回丁寧に指導してくださり、その説明がとてもわかりやすく、まるで直也先生の頭の中をのぞかせてもらっている気分でした。あまりにも直也先生の指導がわかりやすいため、最初は私も急成長できるとうぬぼれていましたが、それは大きな間違いでした。実際に患者さんの診察をさせてただくとその難しさを痛感するばかりでした。とにかく先生の知識、経験、思考回路は凄まじいもので私も少しでも近づけるようにこれからより一層努力しなければと毎日が反省の連続でした。「自分も年を重ねたら将来はここで診てもらいたいな」とつい考えたりもしましたが、そう思われるような医師に自分がならねばと我に返りながら先生を見ていました。本当に尊敬できる先生でした。

 私のような新米医師はまず大きな病院で経験を積むことが一般的です。そこで医師に必要な多くの知識や手技を学びますが、患者さんをその瞬間、「点」でしか見ることができません。しかし、沢田内科医院では患者さんと日々の生活・人生を共に歩んでいるため「線」で見ることができます。だからこそ、的確で柔軟な医療が提供でき、信頼関係が築けるのだと感じました。澤田直也先生や美彦先生を見ていて私は、自分が幼い頃に憧れていた医師像を思い出しました。実際に医師になり、いざ良き医師になろうと知識や手技を会得しようと励んでいたつもりですがどこか純粋な気持ちを忘れていたかもしれません。患者様に慕われる先生方の姿を見て、自分もこんな医師になりたくて、人の役に立ちたくて医師になったんだと振り返ることができ、改めて自分の目指したい医師像について考え直す機会ができました。

 現在も新型コロナウイルスは人々に多大な影響を与え、医療現場は毎日が戦いです。そんな中でも沢田内科医院では、地域のためにワクチン接種や発熱外来を率先して行っています。それは直也先生・美彦先生をはじめ、スタッフの方々の熱い思いが原動力となっているからこそできることです。私も一日でも早く一人前の医師となり、この尊敬すべき方々のように人の役に立てる医療従事者になりたい所存です。本当にありがとうございました。