私の母校である西目屋中学校は、この4月から東目屋中学校と一緒になります。西目屋中学校という名前は消えます。3月13日に最後の卒業式を迎えます。西目屋村に対しては、健診など医療面での協力はもちろんですが、子どもたちの教育に対しても私なりにできる協力をしてきました。そこで、西目屋村の長利允弘教育長から西目屋中学校の先輩として何か子どもたちに話をして欲しいと依頼を受けました。

大人を相手の講演は数限りなく経験がありますが、中学生を相手にして話をするのは初めての経験でした。しかし、これが最後の機会ですので承諾しました。3月20日午後、全校生徒28人を前にして講演でした。

前校長の加藤敬記先生がてん刻で製作した「誰人天下賢」の額

「天下の賢を心の中に」という演題名で、私が高校時代に非常に大きな影響を受けた小田桐孫一校長から教わったことを話しました。「天下の賢」、「持って生まれたものを深く探って強く引き出す人」、「他律的学習と自律的学習」の3つのキーワードで、学校生活で大事なこと、進路を決める上で大事なことなどを話しました。

小田桐孫一校長は、世間では名山詞として通っている陸羯南の五言絶句を引き合いに出し、天下の賢を目指せと言いました。天下の賢とは天下一級のすぐれた人物のことですが、教育者である小田桐校長は「一隅を照らす人」だと解釈しました。

つまり、「どんな社会的地位にあろうとも、どんな所得であろうとも、自分がいなくては物事が渋滞して困るような人」と教えました。地方にあっても大都会にあっても、一隅を照らす人になって社会貢献しようということです。

私はこれがずっと頭から離れませんでした。今回、このような機会を与えていただき、自分のことを振り返るいい機会となりました。そろそろ私自身も自分の人生を振り返る時期になったのかもとも思いました。

在校生 28 人との記念写真