私がいうのも何ですが、沢田内科医院に通院している人は、特定健診やがん検診を受けていないと肩身の狭い思いをします。開業以来、一般の健診とがん検診を受けることを耳が痛くなるほど聞かされているからです。ですから、最近では患者さんの方から「先生、そろそろ年1回の検査を受ける時期だと思うんですが・・・・」と言われることが多くなりました。人によっては誕生日前後に検査をすることに決めている人もいます。

弘前市の特定健診は3月15日が年度の最終日です。何事も期限が目の前に迫ってこなければ腰を上げない人が多いものです。検査の予定表を見ると最終日まで満杯です。食べないで当日検査を希望する人もいますので、しばらくは忙しい日々が続きます。

さて、現在の胃がん検診はバリウムを飲んで検査する方法です。弘前市民だけが例外ではなく、胃がん検診を受けていない人はたくさんいます。そして、胃癌で亡くなる人がたくさんいます。弘前市では毎年90〜110人が胃癌で亡くなっています。私たちから見ると、この中のかなりの人は胃がん検診を受けていれば亡くならずにすんだのです。

この状況を少しでも改善するために、弘前市に対してピロリ菌を組み入れた「胃がんABCリスク検診」を提案してきました。昨年から、市役所の会議で午後の診療を留守にすることが何回もありました。でも、弘前市の3月議会の内容を見ると、これも無駄ではなかったことが分かりました。

弘前市の葛西市長が議会の答弁で、私が提案した胃がんABCリスク検診を今年中に行うとはっきり答えています。1月22日に葛西市長と直接お会いしてピロリ菌の話をすることができました。ついでに大腸がん検診の話もしましたが、新聞を見ると胃がん検診だけでなく大腸がん検診のことにも触れていますので、その時の話が少し役に立ったようです。

今年は弘前市長選があります。3月議会では「骨格予算」を審議すると言われています。6月議会が「肉付け予算」となるのでしょうから、これで成立して、10月頃から実際に「胃がんABCリスク検診」が始まるものと期待しています。

何回も書きますが、これは胃癌になり易い人を拾い上げる検診で、決して胃癌そのものを見つける検診ではありません。胃癌になり易いと判断された場合は、胃内視鏡検査を行って胃癌がないかどうかを判断します。