あゆの優良賞

3月1日は弘前市医師会看護専門学校の卒業式でした。今年は、沢田内科医院から2人卒業生が出ました。西谷鮎子(あゆ)さんと成田華帆(かほ)さんです。

成田華帆さんは、3年前の震災の翌日に入学試験を受けたので、鮮明な記憶があります。あれから3年が経ったんですね。いつも「かほ」と呼んでいるので、誰かに「成田さん」などと言われると誰のことかと思うくらいです。かほはちょっと事情があって、看護専門学校の入試は受けなかったのですが、たまたまその年に再募集を行うことになり、急に試験を受けることになったんです。震災の翌日、私は医師会事務局にいました。入試をどうするかということになったのですが、志望者は3人だけでしたし、予定通り実施することになりました。電話は通じませんし、入試が中止になったと勝手に判断していては困りますので、井上婦長と舘下麻奈美さんが迎えに行きました。舘下さんは嫁入り先の実家がかほの家の近くなんです。迎えに行きましたが、本人も出かけるつもりで準備していたようで、無事に試験を受けることができ合格しました。こんなことがあったのが3年前だったのです。

西谷鮎子さんは綴生(てっしょう)くんという男の子がいます。当然のことですが、この子に邪魔をされながら勉強したようです。国家試験の勉強をしていた時、本の表紙が破れているのに気がつきました。聞いてみると、お母さんにかまってもらえない綴生くんが破ってしまったらしいのです。勉強して相手をしてくれないお母さんの代わりに、本に八つ当たりしてしまったんですね。その甲斐あって、卒業式では優良賞をもらい、代表して賞状を受け取りました。おめでとうございます。

准看護師として日中は普通に仕事をして、5時になると「お疲れさまで〜す、学校へ行ってきま〜す」と出かけ、夜9時まで勉強です。土曜日など翌日が休みの時は夜勤もしました。こうして3年が経ってしまったんですね。二人とも立派な看護師になりました。

泣き顔のあゆとかほ

私は弘前市医師会理事として看護専門学校を担当しています。その他に、3年生に対して国家試験直前に国試対策の講義をしています。仕事を持ちながら勉強しいる学生たちですので、すごい勢いで勉強します。看護師国家試験の合格率は90%前後なのですが、弘前市医師会看護専門学校は昨年1人不合格者がいましたが、ここ数年は100%です。3月25日に発表がありますが、あゆとかほは当然のこととして、今回も自己採点では悠々と全員合格です。

卒業式が終わった後、卒業祝賀パーティーがありました。卒業式は全員が和服でしたが、4時間後に始まったパーティーは洋装でした。みんなおしゃれをして誰が誰だか分からないくらいでした。苦しかった学校生活に別れを告げる時です。講師の先生や勤務先の人たちの話、用意していた余興などで楽しい時間を過ごしましたが、最後はみんな泣き顔でした。

あゆは、そのまま沢田内科医院に勤務することになりました。糖尿病療養指導士と消化器超音波検査士を目指して研修に励みます。少しゆっくりのペースでやって欲しいと思っています。かほは、弘前脳卒中リハビリテーションセンターに就職が決まりました。ここには昨年、福井絵梨果(えりか)さんが就職して、元気に働いています。