1カ月間研修でお世話になりました。弘前大学医学部附属病院研修医2年目の石田航と申します。普段の研修では外来診療を中心に学ぶことがないため、今回の研修は自分にとってとても有意義なものになりました。そこで私が1カ月の研修で学んだ・感じたことを拙い文章ではありますが、綴っていきたいと思います。

 1つ目は自分なりの診断をつけるということです。研修中に1回しか顔を合わせなかった方や、複数回外来で顔を合わせた方、入院していて毎日顔を合わせた方、様々な患者さんがいました。その中には病歴、身体診察や各種検査から診断がつき、専門の病院や輪番病院へ紹介となった患者さんや検査をしてもうまく診断をつけられない患者さんもいました。前者はすぐに診断がつき治療方針が立ちますが、後者は治療方針に難渋することもあります。そんな状況でも直也先生は必ず自分なりの診断をつけて、他病院へ紹介したりしていました。診断をつけて紹介状を作り、相手の病院からの返事を見て自分の診断した疾患の答え合わせや治療方法を学ぶという姿勢は自分にとっては新鮮であり、その反面自分の医師としての考え方の甘さを痛感しました。専門医へコンサルトすることは簡単ですが、自分が何を知りたいのか、どういう疾患を疑っているのかを書くことで、相手からの返事も変わってきます。しかし、自分なりの診断をつけるためには、病歴聴取や身体診察が基本となり、疾患の知識や検査結果の解釈が求められます。今の私にはそのどれもが足りておらず、自分なりの診断をつけるための力を研修医の内に磨いていきたいです。

 2つ目は患者さんやご家族との信頼関係です。1カ月の中で2回お看取りを経験させていただきました。今までにも何回もお看取りは経験してきましたが、そのほとんどは救急外来や病棟で心臓マッサージなどの救命処置をされた後であったり、中心静脈カテーテル挿入や気管挿管など侵襲的な処置がされた後でした。今回経験したお二人は体を傷つけることなく、苦しむことなく、ご家族に見守られながら亡くなられました。私は、家族に見守られながら、穏やかな表情で亡くなられた2人の方をみて、誠に勝手ながら幸せだなと感じていました。最愛の人と最後まで一緒にいることのできる幸せ、そういった環境を作るのも医師の仕事であり、そこには患者さん、ご家族と築き上げてきた信頼関係があります。今回の患者さんも直也先生と美彦先生、沢田内科医院との信頼関係があったからこそ、穏やかな最期を迎えられたのだと思います。私も内科医を志しているので、患者さんやご家族とのコミュニケーションを通して良い信頼関係を築けるような医師になりたいと思います。

 食堂では毎日朝・昼とご飯も作っていただきまして、その生活に慣れてしまったせいで大学病院に戻ってからのご飯がとても物足りなく感じています。この文章には書ききれないほど感じること、考えさせられることがありました。今回の経験を生かして、早く先生方のような医師になれるように精進していきたいと思います。今後は自分がコンサルトする場面もあるかと思いますが、その時はどうかよろしくお願いいたします。直也先生、美彦先生、沢田内科医院の皆さん、1カ月間本当にありがとうございました。

石田先生