私は自分の子どもたちが一人前になる目途がついたあたりから、自分ができることを人に伝えたいと思うようになりました。自分は消えていく存在だけど、自分が持っているものを誰かに残していきたい、そんな思いでした。

1)西目屋小学校、中学校
子どもの頃に本を読む機会がなかった私は、西目屋村の小中学生に図書に触れる機会を多くしようと支援してきました。支援を始めて2、3年後にふるさと納税制度が始まりましたので実質的な負担がなくなりました。先生方には、子どもたちが本を読んだ後、読後感想を書かせないことをお願いしました。15年くらい続けていますが、平成30年には西目屋小学校の図書活動に対して文部科学大臣賞が授与されました。


2)学校評議員と教育委員
平成22年から3年間、弘前高校の学校評議員を務めました。引き続き平成25年から弘前南高校の学校評議員をお願いされました。学校評議員の任期が終わった平成28年からは、弘前市教育委員として弘前市の教育全般について意見を述べる立場になりました。このようなことに引っ張り出されたのは、沢田内科医院での人材育成のことが一つの理由だと思っています。


3)新人医師の臨床研修
平成16年から、医学部を卒業した新人医師には臨床研修が義務付けられています。その中に主に開業医での1ヶ月間の地域医療研修という分野があります。これまで、弘大付属病院と国立病院から約30人の研修医を引き受けてきました。また、健生病院では臨床研修管理委員会の外部評価委員として関与しています。なお、臨床研修とは別に、平成22年から医学部1年生に臨床医学入門として「医学津軽弁」、4年生には「診療所における医療安全」の講義をいずれも年に1回受け持っています。


4)看護師資格
准看護師は通信教育で看護師国家試験の受験資格を得ることができます。この制度が始まることを見越して、平成16年、希望する職員が放送大学へ入学しました。予想よりも早く平成18年に八戸看護専門学校に通信制課程が開設されました。この制度を利用して、沢田内科医院に勤務する准看護師の4人が看護師になりました。


5)看護教員の養成
平成23年4月に看護専門学校を卒業した小堀未希さんは、放送大学を卒業した後、看護学士の学位を授与されました。東奥日報で取り上げられ、NHKのBSでも15分番組として放送されました。この実績が看護専門学校でのダブルスクール制度の基礎になりました。小堀さんは平成27年から非常勤として看護学生に講義を始め、平成30年4月には専任教員として医師会看護専門学校の先生になりました。平成31年5月から斉藤優香さんが非常勤講師として教壇に立っています。これから戸井田朋美さんも何らかの形で看護教育に携わります。


6)医師会活動
平成18年に弘前市医師会理事になりました。先輩の先生から、そろそろ自分の医院のことだけでなく、弘前の医療全体を考えるようにしないといけないと言われ、医師会活動をすることになりました。担当は、感染症、検診、検査でした。平成28年には副会長となり、さらに全体のことを見渡す立場になりました。新型インフルエンザ、はしか流行の対策、平成20年からの特定健診と後期高齢者健診のシステム作り、胃内視鏡検診などがん検診のシステム作りなどに関与してきました。平成29年1月からは医師会看護専門学校の学校長の仕事もしています。こちらは学生指導だけでなく、18歳人口が少なくなっていますので入学者の確保をどうするかなどの課題に取り組んでいます。