胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査の数が増えてきました。特に、地域でのがん検診があると検査件数が増え、せっかく食事をしてこなくても検査ができないことがあります。がん検診で精密検査が必要と言われると、不安な日々が続きますので、できるだけ早く検査をして安心してもらいたいと思っています。

これを解消するためにいろいろな工夫をしてきました。内視鏡の洗浄を短時間でできる装置に替えたのもそのためですし、検査技師の宇野洋子さんの超音波検査を指導してきたこともその一つです。今までは、超音波検査と内視鏡検査を同じ部屋で行ってきました。今度は、超音波検査をレントゲン室の隣で、これまで物置と眼底検査のために使っていた部屋に移動しました。今は物置の中で検査をしているような感じですが、もう少し環境を整備して快適な場所にします。

内視鏡も新しいものを入れました。現在使用している鼻から入れる胃内視鏡は、発売されてすぐの平成18年に購入し、これまでに約4,500件の検査を行いました。まだまだ使えますので使い続けますが、患者さんの待ち時間を少なくするために、鼻から入れる内視鏡をもう1台用意しました。これで、検査が立て込んだ時もスムーズに進めることができます。

鼻から入れる胃内視鏡は、口からの内視鏡に比べて明らかに楽に検査ができます。今年は、約1,000件の胃内視鏡検査を行っていますが、口からの胃内視鏡検査は数えるほどです。鼻の通り道が狭くて入らない人がいます。広くて入りそうでも、痛み止めを十分に使ってもどうしても痛くて入らない人がいます。これ以外は、ワルファリンを使っていようが、血小板が少なかろうが、鼻から行うことができます。

口からの胃内視鏡は嘔吐反射があると十分に検査をすることができません。鼻からの胃内視鏡検査では、嘔吐反射がほとんどありませんので、胃の中に十分に空気を入れて細かい所までゆっくり検査ができます。検査が苦しいと、繰り返し検査をしようとは思いませんので、とくかく楽に終えるように努めています。このためには、鼻からの胃内視鏡検査の方が苦痛が少なくて、検査には適しています。

超音波検査は、宇野さんの技術が私と同じくらいになってきましたので、私はその分、外来診療に集中できるようになりました。内視鏡検査と外来診療は他のスタッフに代わることができませんので、内視鏡検査の件数が増えると待ち時間が長くなってしまいます。いろいろな工夫をして、できるだけ快適な診療が受けられるようにしたいと思います。ただ、待ち時間を短くするために、粗雑な診療になることはしません。