後ろ左から、井上真利子さん、澤田美紀子さん 前左から、小堀未希さん、木田久美さん、宇野洋子さん

今年4月から糖尿病外来を開設しました。とはいうものの特別なものではなく、これまでの糖尿病の治療に加え食事療法を開始したものです。

最近は、喉が渇く、体重が減るなどと糖尿病の症状で受診して糖尿病と診断される人は多くはありません。 大部分の人は、健診で糖尿病が疑われて受診したり、他の病気で通院している間に糖尿病と診断されています。 つまり、糖尿病があっても症状はほとんどありません。人というのは弱いのもので、症状があるときちんと治療しますが、症状がないとつい気が緩んでしまうものです。

糖尿病は食べるということに関係し、症状がほとんどありませんので、継続して治療するのが非常に難しい病気です。 しかし、目を悪くして失明したり、腎臓が悪くなって透析に通ったり、壊疽を起こして足を切断したりと、日常生活に多大な支障をきたす可能性がある病気です。 また、心筋梗塞や脳梗塞を起こすと、生命も危険にさらされます。糖尿病の治療は、単純に血糖値をコントロールするのが目的ではなく、このような状態にならないようにするのが目的です。

通院する糖尿病の患者さんの数が多くなってきていると感じていますので、どれくらい通院しているのかを調べてみました。 550人いました。この中には、腎障害を合併している人がかなりいますし、目の治療をしている人もたくさんいます。 沢田内科医院での糖尿病の治療を考えてみると、検査や薬物治療は何とかなっていますが、食事指導が不十分でした。とても短い外来の合間に食事指導をすることはできませんでした。

臨床検査技師の宇野洋子さんは、青森地域糖尿病療養指導士の資格を得ています。看護学士を目指している小堀未希さんは、糖尿病で論文を書くことにして勉強しています。 このような条件がありますので、栄養士が確保できれば糖尿病外来を開くことができると判断しました。幸いにも、先輩の先生の紹介で、管理栄養士の木田久美さんが非常勤で勤務して下さることになりました。

糖尿病外来では、通常の血液尿検査と食事指導の他に、頸動脈超音波検査、眼底検査、下肢動脈硬化検査、下肢末梢神経検査、フットケアと呼ばれる足病変のチェック、糖尿病に関係する事項の講義、などを行います。 糖尿病では歯周病も大きな問題です。これも何とかできないかと考えています。

糖尿病外来は予約して来てもらっていますが、全部を終わるのに3時間ほどかかっています。ちょっと長い時間ですので、時間がとれない人もいます。 検査などをあまり欲張らずに細切れにして時間配分をしてみようかと試行錯誤中です。 糖尿病に関連する検査はいつでもできますので、糖尿病外来は食事指導を中心にして患者さんが快適な生活を送れるようにサポートするシステムにして行こうと思っています。

保険診療で糖尿病指導を行うためには、施設基準を満たさなければいけません。このために、小堀未希さんは来年3月に糖尿病療養指導士の試験を受けます。 澤田美紀子さんは、10月に予定されている専門的な講習を受けます。そして、井上真利子婦長は、2年後の糖尿病療養指導士の試験を受けます。

糖尿病の指導自体は専門資格がなくてもできますので、他の看護師たちの協力は不可欠です。こうしてみんなで勉強することで、沢田内科医院の医療レベルがさらに向上していくことも期待しています。