今年3月に試験があった日本糖尿病療養指導士の試験に井上真利子さん、菊池千枝さん、西谷鮎子さんが合格しました。

左から、井上真利子さん、小堀未希さん、西谷鮎子さん、菊池千枝さん

昨年の試験では小堀未希さんが合格していますので、日本糖尿病療養指導士は4人になりました。今年は青森県から看護師は8人しか合格していませんので、沢田内科医院から3人が合格したということはすごいことなんですね!

この資格がなければ糖尿病の指導ができないわけではありませんし、資格を持っていれば就職に有利になるということでもありません。この試験を受ける最大の目的は、糖尿病の知識を深めて患者さんの診療に役立てることです。そのついでに資格を取ろうということで、糖尿病療養指導士の資格を取ることが第一の目的ではありません。しかし、この制度を知ってる人から見ると、糖尿病をすごく勉強している人なんだなということが分かります。

この糖尿病療養指導士の試験は片手間に勉強しただけでは合格しません。看護師ですから糖尿病について基本的な知識は持っています。それに加えて、看護師の仕事をする上では要求されないようなかなり細かいことを覚える必要があります。ですから、多分、糖尿病を専門としない内科医よりも知識の量は多いと思います。もちろん、今回の試験に合格したらそれで十分だというわけではありません。これを基礎にして糖尿病の知識を増やしたり、指導の技能を高めていくことが大事なことです。

この資格は5年ごとに更新する必要があります。そのためには、日本糖尿病療養指導士機構から認定された糖尿病に関する講習会や学会に出席して継続的に研鑽を積む必要があります。弘前市内で開かれることは少なく、県外へも何回も出かけて勉強しなければなりません。これを継続することで、糖尿病に関する知識や技術に磨きをかけ続けるということです。

この試験の受験資格には施設基準というのがあります。つまり、勤務する医療機関では、糖尿病患者さんの診療を日常的に行っていること、管理栄養士が食事指導をしていること、糖尿病教室などで患者さんに対して糖尿病のことを日常的に指導していることなどの体制が整っている必要があります。沢田内科医院はその体制を整えているということです。

今回の試験の準備でこれまでと違ったのは、私がほとんど関与しなかったことです。小堀さんがこの試験を受けた時は私自身が教えました。今回は小堀さんが先生役となって勉強会を重ねました。私自身は何回か出席してアドバイスした程度で、ほとんど自分たちだけで勉強していました。学んだことを他の人に教えることで知識を確かなものにできるだけでなく、これを繰り返すことで沢田内科医院の医療レベルがどんどん上がっていきます。

職員だけのトレーニングがもうひとつあります。超音波検査です。臨床検査技師の宇野洋子さんは、消化器超音波検査士です。もうほとんど私がチェックしなくてもよくなりました。今度は、宇野さんが他の人にこの知識と技術を伝える番です。澤田美紀子さんと西谷鮎子さんが弟子入りしてトレーニングしています。何年か後に、弘前では初めての看護師の超音波検査士が誕生します。トレーニングのために検査には時間がかかっています。通院している皆さまにはご不便をおかけしますが、これも皆さんに提供する医療のレベルを高く保つために必要なことですので、よろしくお願いいたします。