暑い夏が過ぎて、朝夕はだいぶ過ごしやすくなってきました。今年は弘前でも9月4日に記録的な大雨があり近所の寺沢川が増水して住宅に浸水し、被害が出た方もおられました。西日本では毎年のように大雨による洪水が報じられておりましたが、青森県も例外ではないと思い知らされた出来事でした。

 さて新型コロナウイルスをめぐる状況ですが、これを書いている9月24日現在青森県ではしばらく新たな感染者は出ておりません。これまでの青森県で報告された患者さんをみても、ほぼ県外で感染してしまった方々です。そのため当院でも発熱患者さんを診察する場合は、ご本人が2週間以内に県外へ出たことがあるか、あるいは県外の方との接触があったかどうかを確認して院内で隔離して診察するか、車の中など院外で感染防護をしっかりして診療するかのレベルを決めています。

 これから寒くなり問題となるのはインフルエンザの流行とどう重なってくるのかということです。毎年冬になると学校や職場、家庭、施設内などでインフルエンザが流行し、発熱して医院を受診して鼻に綿棒を入れるインフルエンザ検査をしてタミフルなどの抗インフルエンザ薬を処方される。このような光景が毎年繰り広げられてきました。インフルエンザも感染力が強いため毎年約1000万人が感染し、重症化すれば肺炎を引き起こし約1万人が亡くなっているといわれています。(厚生労働省サイトより)
あらためて人数を書き起こすと恐ろしい数字です。それでもなんとかやってこれたのは、診断方法があり、毎年ワクチン接種があり、治療薬があり、感染対策が確立されていたからです。

 この中でまずインフルエンザの検査、これが今回の新型コロナウイルスの場合問題となります。これまでのように院内で無防備に(もちろんマスク着用など最低限はこれまでもやっていましたが)やってしまうと、院内で感染者を出してしまう恐れがあるからです。そのため検査を行うとしても新型コロナウイルス検査と一緒に建物の外や、診療時間外に発熱患者さん枠をあらためて設けて感染防護をして行うなどの対策を考えています。流行の程度によっては検査を行わず、診察だけで判断して抗インフルエンザ薬の投与を行う状況も考えられるため、今から薬剤の備蓄もしています。

 またインフルエンザワクチン接種は例年より積極的に受ける方が多いのではないかと予想されます。ご高齢の方、持病があって感染リスクの高い方は特に早めのワクチン接種をおすすめします。弘前市では65歳以上の方、小学校2年までの小児、妊婦、重い障害のある方は10月19日以降無料で予防接種が受けられます。その他の方も11月1日以降できるように準備しています。