春は卒業入学シーズンですが、皆さんは『放送大学』をご存知ですか? テレビ放送やビデオなどを使って教育を行う通信制の大学です。 弘前にも文京町の弘前大学内に放送大学学習センターがあります。 この放送大学に、私たちの医院の看護婦5人が入学することになりました。

大学卒業を目的として勉強をする場合、特定の興味のある分野を勉強したい場合、 何かの資格を修得するために必要な科目を勉強する場合、など、放送大学を利用する目的はその人によって違います。 放送大学は通常の大学と同じ位置づけですので、卒業すると学位が授与されますし、当然のこととして、 大学院の入学資格が得られます。

弘大医療技術短大を卒業して青森県立中央病院に勤務している看護師がいます。 彼女は放送大学で必要な単位を取得し、短大時代に取得した単位と合わせて『看護学士』が授与されました。 ただし、放送大学を卒業すると『教養学士』ですので、彼女は「大学評価・学位授与機構」に『看護学士』を申請して認められました。 やる気さえあれば、働きながら勉強してこんなこともできるんですね。

一口に看護師といっても、看護師と准看護師の2種類あります。 看護師は厚生労働大臣から免許証をもらい、准看護師は県知事から免許証をもらいます。 法的には違いがあるのですが、実際働いている現場ではほとんど区別がありません。 最近の流れとして、准看護師養成学校や各種学校としての看護師養成課程が少なくなり、看護師は大学で養成される傾向にあります。 青森県でも県立高等看護学院が廃止され、青森県立保健大学が設立されました。

学校だけでなく、現実に働いている現場でも、准看護師をなくして看護師にしようという動きがあります。 それに対応して働きながら通信制課程を終えることで、准看護師に看護師国家試験の受験資格を与える制度が作られようとしています。

そこで当医院の准看護師5人が放送大学の学生となり、看護に関する教科を勉強することになりました。 今回の目的は、大学卒業の資格を得ることではありません。 放送大学で単位を取ることで、この通信制課程の約半分の教科を終了することにあります。 放送大学で16教科を勉強して試験を通れば、通信制課程の約半分の教科を終わったと認められます。 通信制の看護学校は、東北地方に設置されるという確かな証拠はまだありません。 しかし、ここ何年かで青森県でも利用できる通信制課程が設置されると予想されますので、 この4月から準備を始めることにしたのです。

この通信制看護学校を卒業しても、自動的に看護師になれるのではありません。 あくまでも、看護師国家試験の受験資格が得られるだけです。国家試験に合格しなければ看護師にはなれません。 5年から6年程度の予定でみんなで勉強していくつもりです。 看護師国家試験をパスすることを目標にして勉強することで、沢田内科医院の医療レベルが上がり、 皆さんに良質の医療サービスを提供できるものと確信しています。