今回の待合室の増築には2つの目的がありました。一つは待合室を快適にすることです。

窓を大きくして壁に括りつけの本棚を作りました。快適な座り心地の8個のソファーを用意しました。

待ち時間をできるだけ短くする試みはたくさん行ってきましたが、ここで発想を転換し、 待合室にできるだけ長く居たくなるような快適さを提供しようというものです。一種の開き直りです。二つ目は図書のスペースを確保することです。 本を置くスペースが足りなくなったために拡張したスペースの壁全面を本棚にしてしまおうとの計画でした。

待合室の窓側を駐車場に向かって拡張しました。 窓の数を増やさずに拡張しましたので、暗くならないか心配しましたが、光は十分に入りむしろ前よりも明るい感じがします。建築確認の段階で中に余計な柱を立てる必要が出てきましたが、後付けの時にはいろいろな制約がありますので仕方がありません。

ちょっと高級なソファーは、実際に家具店を回って座り心地を確かめて選びました。 気軽に本を読めるようにしましたので、快適過ぎて本を読むよりも眠ってしまうかも知れません。 これで椅子の数は全部で40人分ほどになりました。いっそのこと、全部をソファーにしようかと思いましたが、 腰痛のために硬い椅子の方がいい人がいますし、立ち上がるのには今使っている肘が高い椅子の方がいい人もいます。 横になりたい人は長椅子の方がいいし、統一感がありませんが混在したままとしました。患者さんの中には、 「あの椅子の値段はどれくらいなんですか? そんなに高くなくて私でも買えればあの世へ行く前に一度あんな椅子に座って暮らしてみたいと思って・・・。」という人もいました。

待合室全体が広々として大きくなりました。

待合室に置いてある本は私が読んだものを本棚に入れただけできちんと整理しているわけではなく、 借りて行きたい人は勝手に持ち帰って読んでもいいようにしています。 最近は、特に医師会の仕事に時間をとられるために本を読む時間が少なくなってしまいました。結果として追加する本が少なくなっています。 もっと自分の時間が持てる状況にしようともがいていますが、なかなか自由にできません。

私が読む本の数が少なくなったのを心配してか、伴國暉さんがたくさんの本を持ってきてくれました。 本棚の開いたスペースを埋めてしまうのだそうです。 その上、伴さんは「私が死んだら、ここに持ってくる本を仕分けしておくから」と遺言の準備をしているみたいです。 また、私の高校時代の恩師である内海康也先生にもたくさんの本をいただきました。ありがとうございました。

増築部分は完全に図書部門としました。かなりの数の本を置くことができますが、こんな状態ですので間もなく足りなくなりそうです。 将来展望としては、具合が悪くて来院する人だけでなく、本を読みたい人であれば誰でも来てくれるような空間になればいいなぁと思っています。 コーヒーでも飲みながら本に親しんでもらえればと。