大腸がん検診(便潜血2回)で陽性となった方には大腸内視鏡検査を行っています。検査で6mm以上のポリープを指摘された場合は切除をおすすめしています。大腸ポリープは大きくなると癌になるおそれがあります。

 大腸ポリープの内視鏡治療の準備は通常の検査と同じです。目的のポリープの根元に生理食塩水という体の成分と同じ水を注射し、輪っかになったワイヤーで縛り上げて焼き切ります。切り口は出血しないようにクリップで塞ぎます。基本的に痛みはありません。

 日帰りでできる内視鏡治療とはいえ、手術の一種ですので偶発症もゼロではありません。出血や穿孔(腸に穴があいてしまう)のリスクもわずかですがあります。あまりに大きいものや場所的に切除が難しいものについてはこれまで通り、大きな病院にお願いする場合もあります。

 2018年の部位別がん死亡率で大腸癌は男性で第3位、女性で第1位です。確かに大腸内視鏡検査は前処置で2リットル近く水をのまなくてはなりませんし、おしりからスコープを挿入するという心理的な負担もあると思います。しかし将来お腹を切って手術することを考えれば、小さいうちに治療できるものは治療しておいた方がよいと思います。