令和8年3月、厚生労働省は市町村が行う大腸がん検診について、採便回数を現在の2日法から1日法へ見直す案を出しました。対象年齢は40歳以上、検診間隔は年1回と変化はありません。つまり、検査そのものが変わるのではなく、便潜血検査は続けながら、提出の手間を減らす方向へということです。最大の目的は受診者を多くすることです。

大腸がん検診は便の潜血反応で

大腸ポリープや大腸がんからはいつも出血しているわけではありません。ある日は血が混じっても、別の日は出ないことがあります。つまり、便を2回分提出するのは、少しでも見落としを減らしたいという発想から生まれた方法です。しかし、2回が面倒で検査を受けない人がいることが予想されますので、1回法に変更した方がより多くの人が受けるのではないかと見直されたのだと思います。

大腸がんを検出する確率は、便潜血検査1日法では56%、2日法では83%、3日法では89%です。この結果から日本では「2日法」を採用しているのです。1日が陰性だったとしても、もう1日(2日法)が陽性であれば大腸がんやポリープなどの可能性があります。3日法では2日法に比べて検出率がそれほど高くはなりませんので、大腸がん検診は2日法に決まったのです。

大腸がんは増えている

大腸がんは年々増えています。がんの種類別に死亡数をみると、大腸がんで死亡する人は、男性が第2位、女性では第1位であり、令和6年のデータでは年間約15万人が大腸がんと診断され、約5万4000人が大腸がんで亡くなっています。令和4年の弘前市の死亡統計を見ると、大腸がんで約110人が亡くなっています。死因の第1位は肺がんで124人が亡くなり、第2位が大腸がんです。

沢田内科医院では減っています!

令和7年、沢田内科医院では1612人が大腸がん検診を受けました。約15年前は約1000人でしたので受診者数は約1.6倍になっています。15年ほど前は診断した大腸がんの数は年に10人から12人程度でしたが、現在は6人から8人と減っています。通院している人が大部分ですので繰り返し検査を受け、便潜血が陽性であれば大腸内視鏡検査を行います。そしてポリープがあれば切除しています。この結果、弘前市では大腸がんで亡くなる人が増加しているのですが、逆に沢田内科医院では大腸がんの発見率(大腸がん検診を受けて大腸がんと診断された割合)が1%から0.5%まで減少し、大腸がんで亡くなる人が少なくなっているのです。

一人でも多くの人に大腸がん検診を受けてもらいたいので、便の検体を郵送で検査機関に送るという方法も検討されています。今は、大腸がんを内視鏡で治せる時代です。早く見つければ負担が大きい開腹手術はせず、内視鏡手術で治療できるのです。ぜひ大腸がん検診を受けましょう。