さて、次は、元長町にある養生幼稚園です。昨年、新築され、連休中に公開されていました。 養生幼稚園の敷地には、古い建物が保存されています。市の重要文化財に指定されている、松陰室です。 1852年、吉田松陰が弘前を訪れた時に、伊東広之進梅軒と北辺警備、藩校の授業形態などを論じたという建物です。 松陰室には、「偉人棚」が設けられていて、西郷隆盛、福沢諭吉、後藤新平など、 明治維新前後の偉人が遺した品が展示されています。

今回は、この中に保存されている、陸羯南(くが・かつなん)の書を見るのが目的でした。 ここには、弘高の体育館に掲げられている扁額、『誰人天下賢』の基になった、 『名山出名士、此語久相伝、試問巖城下、誰人天下賢』と書かれた掛軸があるはずでした。 しかし、今回は展示されていませんでした。養生会百年史(平成6年発行)の中にある写真では、 この掛軸が松陰室に掲げられていましたので、ここで見ることができず非常に残念でした。