今年2月に行われた看護師国家試験は全国で受験者数64,051人、合格者数58,152人で合格率は90.8%でした。青森県内には4年制大学が6校、看護専門学校が2校、准看護師が進学する専門学校が5校、高校の専攻科が2校の看護師養成機関があります。県内すべての学校の受験者数は751人、合格者数が701人で合格率は93.3%でした。

県内の15の看護師養成機関の中で合格率が100%だったのは、弘前大学、弘前総合医療センター附属看護学校、千葉学園高校、そして弘前市医師会看護専門学校の4つだけでした。そして、4年連続100%を続けているのは弘前市医師会看護専門学校だけです。

弘前市医師会看護専門学校の特徴は働きながら勉強することです。4年制の大学生や全日制の看護学生とは生活スタイルが全く違います。准看護師として働きながら勉強するだけでなく、子育てなど家族のために時間を割かなければならなかった人もいます。このような状況の中で36人の卒業生の中で3年間皆勤が3人、欠席や遅刻が3日以内の精勤が12人でした。そして、国家試験には全員合格したのです。

医師会看護専門学校にはダブルスクール制度があります。看護専門学校に在籍しながら放送大学に在学し同時に卒業するという制度です。放送大学を卒業すると教養学士の学位が授与されます。今年度は例年よりも少なかったのですが2名の学生が放送大学から学位記が授与されました。

医師会看護専門学校に入学してくる学生は他の学校に比べて決して基礎学力が上ではありません。しかし、学校の特徴を考えても分かりますが、「やる気」だけは他の学校には負けません。看護師になるのだという強い気持ちがあれば勉強を続ける動機になります。

看護師国家試験は決して難しいものではありません。受験した90%の人は合格するのですから。国家試験に合格するためには普段の勉強はもちろん大事ですが、病院での実習が終わった12月から2月までの約2か月間、徹底的に国家試験対策の勉強をします。これには学校の教員が一丸となって対応しています。私自身も90分の講義を21回行いました。その結果が4年連続合格率100%でした。この数字はこれから受験する学生にはプレッシャーとなります。でも、卒業した先輩たちがこのように合格するのですから、学生たちには自分たちもやればできるんだという自信がつきます。

この記事は陸奥新報にお願いして載せてもらったものです。合格発表は3月24日午後2時でした。4年連続100%という内容で記事にするのですから、一人でも不合格になると記事になりません。私は全員合格を確信して、陸奥新報の記者には午後2時に取材に来てもらいました。発表が終わって100%の合格が分かってから来てもらったのではありません。