黒石病院2年目研修医の藤林照太郎です。この度2022年12月より1か月間、沢田内科医院にてお世話になりました。1か月という短い間でしたが、非常に密度の濃い経験をさせていただきました。
学生時代を含めて開業医での研修は初めての経験でした。自分にとって、開業医のイメージは子供の頃にインフルエンザなどで受診したときのもので、医院全体としてまったりとした時間が流れているイメージでした。その頃の記憶と比べて、沢田内科医院は患者数、スタッフ数が多く、総合病院の内科と同じような第一印象でした。しかし、患者数が多くても診察室はアットホームな雰囲気であり、開業医と総合病院の中間の様な医院だと感じました。このような雰囲気を保ちながら数多くの患者さんの診察を行うことできるのは難しいことだと思います。これはスタッフ全員の協力やこれまでの経験などが可能にしていると思いますが、その一つとして紙カルテも関係していると感じました。研修し始めて、最初は全く紙カルテに慣れませんでした。しかしながら、研修を続けるうちに紙カルテであることで患者さんと正対して話す時間が増えたり、パソコンでファイルを開く時間が少なかったりと良い点があることを実感できました。また、先生方のカルテと自分のカルテを比べると、先生方のカルテは過不足なく簡潔にまとまっておりとても見やすかったです。電子カルテでも紙カルテでも文章を書くという作業は同じはずですが、なぜか紙カルテの方が自分の考えを言語化するハードルが高く感じました。まだまだ言語化する上で、自分自身理解しきれていない内容や勉強が足りていない部分があったのだと思います。また、久しぶりに自分の文字をたくさん見て、やはり下手だと感じたので直したいと思いました。
徐々に紙カルテに慣れながら研修を続けるうちに多種多様な症例を経験することが出来ました。研修医には2年間の間に必ず経験しなければいけない症例や症状があるのですが、それがこの1か月間で全て経験できてしまうのではと感じてしまうほどでした。内科医院とあるように主に内科系の疾患が多いですが、外科系や産婦人科系の疾患であることもあります。専門外の疾患を診察することは怖いことだと思います。医師にとって知識は防具で手技は武器だと言われることがありますが、先生方はダイヤモンドの防具にダイヤモンドの武器を持っているのだと思います。どんな患者に対しても同様に接する姿は百戦錬磨の勇者の様です。まだまだ自分は布の服に木の棒で戦っていると思うので、今後も勉学に励み自分の防具と武器を磨いていきたいと思います。
最後に沢田内科医院では昼食もご馳走になりました。とても美味しくたくさん食べてしまい、2㎏ほど体重が増えました。学生時代より既に10㎏程太ってしまい、このまま太り続けると防具が入らなくなりそうです。黒石に戻ってからは何とかダイエットしたいと思います。1か月という短い時間でしたが様々な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
第132号より