青森県は短命県として、とうとう週刊誌にまで取り上げられてしまいました。確かに他の県と比べると平均寿命は短いです。しかし、周りの人たちに聞いてみると、どれくらい短いのかを認識している人は意外と少ないです。そして、世界の国々と比べたら青森県はどの程度に位置するのかが分かっている人も少ないです。

厚生労働省は5年ごとに都道府県別生命表を公表しています。生命表は、ある人口集団の死亡状況が今後変化しないと仮定した場合に、各年齢の者が死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標によって表したものです。この指標は、男女別に各年齢の死亡数と人口を基に計算されており、集団の年齢構成には左右されず、死亡状況だけを表しています。

各年齢であと何年生きられるかを平均余命といい、ゼロ歳の平均余命を平均寿命といいます。今回の生命表では、全国の平均寿命は男性で80.8年、女性で87.0年でした。都道府県別にみると、男性では滋賀県(81.8年)が最も長く、長野県(81.8)、京都府(81.4)が続き、女性では長野県(87.7年)が最も長く、岡山県(87.7年)、島根県(87.6年)の順になっています。

さて、青森県ですが、男性が78.7年、女性が85.9年でともに全国の最下位でした。これが、短命県といわれる所以です。全国平均との差は男性が1.9年、女性が1.1年でした。また、最長寿の県との差を見ると、男性が滋賀県と3.1年、女性が長野県と1.7年でした。平均寿命が男性81歳、女性87歳である現在、男性の3.1歳、女性の1.7歳の差をどう考えたらいいのでしょうか?

世界保健機構(WHO)が平成27年に公表している世界の平均寿命と比較してみます。もちろん統一された数値ではありませんし、単純に比較はできないことが前提ですが、おおよそのことは比較できます。これによると、男性の最長寿国はスイスで81.3歳です。日本の男性の平均寿命は80.5歳で世界では6位です。女性の最長寿国は日本で86.8歳でした。

青森県のデータをこの世界の平均寿命ランキングと比較してみます。年度が違いますので数値は異なりますが、青森県男性の78.7歳は、世界では21位とドイツと同じです。青森県女性は85.9歳ですので、この数値は日本、シンガポール86.1歳に続いて世界第3位でした。ちなみに、男性は、フランス79.4歳、イギリス79.4歳、ドイツ78.7歳、アメリカ76.9歳、女性はフランス85.4歳、イギリス83.0歳、ドイツ83.4歳、アメリカ81.6歳です。

負け惜しみではありませんが、青森県をひとつの国として比較してみると、世界レベルでは長寿国になります。日本全体の年間の死亡数は130万人です。このうち、がんで亡くなる人が37万人です。がんの予防や治療法が開発されて、がんで死亡する人がゼロになった場合、日本の平均寿命は何年延びると思いますか?たった4年です!!私たちががん検診を強力に勧め、死亡数がゼロになってもたった4年しか寿命は延びないのです。

寿命を延ばすには決め手となる一つの解決方法はありません。いろいろな要因が関係して寿命は決まるのです。その一つが社会経済的な要因です。世界には平均寿命が60歳台の国がたくさんあります。医療制度が整っていないからではありません。生活する場が問題なのです。

社会経済的な環境、食事や生活習慣、いろいろなことが関わります。まず、寿命を縮めていると考えられることを一つずつ改善することで、結果として寿命が長くなっていくことを期待しましょう。


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