年に数回、胃の調子が悪いことがあります。いつもは胃薬を数日内服するだけでだいたいよくなるのですが、今回は違いました。下痢や嘔吐はないものの夜中に痛みで眠れず、苦しみました。たまたま夜間に患者さんの診察で医院に呼び出されたときに、こっそりエコー室で自分の超音波検査をしました。胆嚢に小さなポリープはあるものの、大きな癌もなく原因ははっきりしませんでした。

 翌朝、食事も摂れないため採血検査をして、美彦に胃カメラもやってもらいました。カルテをみると前回が平成21年、弘前市立病院で働いているときでしたので(そのときは赤い血を吐いたのでやったのでした)かなり久しぶりになります。結果は胃癌や胃潰瘍もなく、採血も異常なしでした。検査の前にのむ白い液体のくすり(胃の粘液を取って観察しやすくする薬)はとてもまずく、具合の悪いときに飲むと吐きそうでした。喉の麻酔があまり効いておらず、カメラが通るときに少し痛みもありました。毎日10人くらいに胃カメラの検査をしていますが、いざ自分がやられるとなるとなかなかつらいものがありました。ピロリ菌の便の検査もやったことがなかったので、院長室のトイレでトイレットペーパーを水面に浮かべて便を採取しました。そのときは食事量が少なかったためかあまり出ず、しかもコロコロしていたので水中に落ちていかないようにプラスチックの棒でつついてやっと取れました。便の検査は簡単に依頼していましたが、取るのはなかなか難しいのだなと実感しました。

 腹痛の原因がはっきりしなかったため鳴海病院で造影CTも撮りました。鳴海病院に入るのは初めてです。午後に行きましたので、待っている方は誰もいませんでした。受付を済ませてCT室の前で待ちます。いつもCTを依頼する際、受付の方とは電話口で話したことはありますがお会いするのは初めてだったのでご挨拶をさせていただきました。

造影CTを撮るときは検査時に腕の血管から造影剤という薬を注射してから検査をします。薬を注射すると身体が熱くなると聞いていましたが、熱くなるのは腕だけで思ったより不快感は強くありませんでした。注射後アレルギー反応が出る方もいますが、幸い何も起こりませんでした。撮った写真をすぐみせてもらいましたが、あまり病的なものはなさそうでした。

 丸々10日くらいろくに食べられませんでしたが、時間がたつにつれ少しずつよくなりました。「腹部エコーや採血、胃カメラ、造影CTまでやって特に重篤な病気がなければ、命までは取られまい。」そう思うと気持ちも楽になり、身体も快方に向かったのかもしれません。月並みな感想ですが、患者になってはじめてわかる検査のつらさを改めて感じました。「悪い病気なのではないか」という不安は、きちんと検査をして「ここは大丈夫、あそこも大丈夫」と外堀を埋めていくことで解消することができます。苦痛と不安な時間を最小限にするために必要な検査はできるだけ早く、安全に行う。それを心がけて診療にあたっていこうと改めて思った出来事でした。


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