私は弘前市医師会で感染症対策を担当していました。平成19年のはしかの流行や平成21年の新型インフルエンザでは弘前市内での対策は医師会が中心になって行いました。昨年、感染症対策は他の人に代わってもらいました。やり残した仕事がありました。弘前市内で肝炎やエイズウイルスなどの血液を扱った時に、誤って自分の手に針を刺してしまった時の対策でした。

ナルミ医院の鳴海晃先生が感染症対策委員長として、細かいところまで書いたマニュアルを準備してくれました。そして、実際に針刺し事故が起こった場合に備えてシミュレーションを行いました。想定していたように、2時間以内に対応策が決められることが分かりました。

今回の針刺し事故対策は、市内で針刺し事故が起こった場合、夜中でもいつでも私の医院に連絡すればウイルスの検査ができるようにし、エイズウイルスに感染した場合は、直ちに予防薬を飲み始めることができるというシステムです。

検査試薬もエイズウイルス治療薬も青森県が出してくれることになっています。実際にエイズウイルスの薬を飲むことになることはほとんどありません。そのために有効期限が短い高価な薬を用意するのは、医師会でやるにしてもちょっと負担です。これを青森県が負担してくれることになりました。青森県庁に連絡するとすぐにOKでしたが、こんなことは本来、どこが責任を持って実施すべきことなんでしょうね?自己責任?

リハーサル風景

シミュレーションは、ナルミ医院で針刺し事故が起こったと仮定して始めました。直ちに沢田内科医院に連絡が来ました。そして採血した血液が届けられ、B肝炎ウイルスの検査とエイズウイルスの検査をしました。沢田内科医院では、検査に関しては臨床検査技師の宇野洋子さんだけでなく、看護師全員ができるようにしていましたので、今回の検査も技術的な面で困難なことは全くありませんでした。検査と並行して、針刺し事故を起こした職員に対して私が感染予防について説明しました。

エイズウイルスに対する薬は妊娠していると不都合なことが起こる場合があるので、今回は妊娠反応の検査も行いました。これもいつも検査をしている看護師たちには全く問題がありませんでした。検査は反応がでない血液で練習してもよく分かりません。妊娠反応は尿で検査をするのですが、木村友美さんのお姉さんが妊娠中だったので、尿を提供してもらって陽性反応を確認しました。ありがとうございました!

このシステムは弘前市医師会の医療機関だけでなく、黒石など弘前市以外の医療機関、訪問看護ステーション、介護施設での針刺し事故にも対応することになりました。そこで、6月2日にヒロロで肝炎とエイズに関する講演会と説明会を開催しました。180人という大勢の人が出席し、関心が高いことが分かりました。

24時間体制でシステムを維持できるのは、沢田内科医院に入院患者さんがいて看護師がいつもいるからです。ただ、こういう場合には誰かが応援に駆けつけなければなりません。もしも、このシステムのために看護師が検査をしている時に、入院患者さんの具合が悪くなるかも知れません。ですから、いつも誰かが駆けつけられるようにバックアップ体制をとっています。もちろん、私もすぐに行けない場合にそなえてバックアップ体制をとっています。

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