平成29年5月18日、ヒロロで針刺し事故対応の研修会がありました。弘前市医師会では、針刺し事故があった場合に24時間体制で対応しています。針刺し事故で問題となるのは、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスに感染する危険性がある場合です。迅速な対応をとらなければ、針刺し事故を起こした職員が、これらの感染症にかかってしまう危険性があるからです。

弘前市では針刺し事故に対応する体制がありませんでした。そこで、平成27年に弘前市医師会がこの体制を作り、沢田内科医院をその拠点としました。かなり詳しいマニュアルを作り、針刺し事故が起こった場合、夜中でもいつでも沢田内科医院へ連絡をすることになっています。針刺し事故が起こってすぐに連絡してくれると、2時間以内にすべての結論を出して対策を決めることができます。そのために、夜勤の場合も対応ができるように、すべての看護師がウイルスの検査に加え妊娠反応の検査もできるようにトレーニングしています。

緊張していたとはいうが、堂々と発表する井上真利子師長

平成27年からの2年間で対応したのは10件でした。針を刺したのは看護師が一番多かったのですが、歯科医師、歯科衛生士、インスリンの針を扱う薬剤師も関係していました。エイズウイルス感染は状況からリスクはほぼゼロでした。C型肝炎は経過観察して発症した例はありませんでした。また、沢田内科医院の診療時間帯は2例で、午後の休診時間帯や夜勤帯が8例でした。

問題はB型肝炎ですが、幸いなことに発症した例はありませんでした。この10例で必要な対策が何であるかがはっきりしました。これは前から言われていたことなのですが、対策がとられていなかったことです。それは、医療機関や介護施設に勤務する職員に対してB型肝炎ワクチンの接種が行われていない所が多いということです。

また、感染症に関する検査自体も行われていないことがありました。C型肝炎ウイルスの検査は10人中5人、B型肝炎ウイルスの検査は10人中6人に行われていませんでした。医療や介護に従事する人は、自分の状態を把握して、針刺し事故のような場合に適切に対応できるようにしておく必要があります。

今回の10例のうち、針刺し事故を起こした職員がワクチンを接種して、B型肝炎ウイルスに対して抗体を持っていれば、5例は迅速な対応は必要ありませんでした。ですから、今回の研修会では、血液を扱う職場では、B型肝炎ウイルスワクチンをぜひ接種することを強調しました。

針刺し事故を起こした人は、個々に対応した時点でワクチン接種の重要性を分かってくれました。医療や介護の現場で働く人は自分の身を守るためにB型肝炎ウイルスワクチンを接種することが大事です。

今回の発表は、井上真利子看護師長が行いました。スライドを作って、原稿を用意しての発表でした。演壇に立てば真っ白になってどうしたらいいか分からなくなりそうだと言っていましたが、堂々とした発表でした。

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