大腸がん検診は、便潜血反応という便の中に目に見えない血液が混じっているかどうかで行っています。便の中に血液が混じっていると判断されれば、便潜血反応陽性として大腸内視鏡で詳しく検査をします。大腸がん検診のために便の検査をすると、100人のうち6-7人に便の中に血が混じっています。この人たちを100人検査すると、3-4人に大腸がんが見つかります。

大腸内視鏡検査を行う時は、大腸の中に便が入っているときちんと検査ができません。そこで、1,800mlの下剤を飲んでもらい、大腸から便が完全に出てから検査をします。この下剤を飲むのが困難な人がいますので、検査の前の日に便が残りにくい特別な食事をして、夜に下剤を少量飲んで検査をすることもあります。いずれにせよ、大腸から便が完全に出てしまうことが、大腸内視鏡検査のために大変重要なことです。

さて、大腸内視鏡検査が楽になったというのは、内視鏡検査の後のことです。大腸内視鏡検査では、大腸に空気を入れて膨らませて観察します。検査が終わる時には、大腸の中に残る空気をできるだけ少なくするのですが、どうしてもかなり多量の空気が残ります。ですから、検査を終わった後に、お腹が張って苦しかったという話を時々聞きます。

大腸を膨らませる時に、普通の空気ではなく炭酸ガスを使うとすぐに大腸からガスがなくなり楽になります。沢田内科医院では、8月から炭酸ガス注入器を使っています。1ヶ月間ですでに20人ほどに使いましたが、空気を使うこれまでの方法に比べて楽なようです。入院患者さんの1人で時間を追って観察して見ましたが、炭酸ガスを大腸一杯に残して検査を終わっても、間もなく昼のごはんを食べて何ともなくケロッとしていました。

炭酸ガス注入器を接続して大腸内視鏡を行う時に、左手の指の使い方がこれまでと違うため、ちょっと違和感がありましたがもう慣れました。大腸内視鏡検査は苦しい検査の一つだと言われています。検査自体の苦しさよりも、大量の下剤を飲むのが大変だという声も多いです。少しでも検査が楽になるように工夫を重ねて行きたいと思います。

大腸がん検診で便に血が混じっていると判定され、きちんと検査を受けた人でも亡くなる人はいます。検査をしたグループで5年後に10人が亡くなると仮定すると、検査を受けないグループでは47人が亡くなります。つまり、便の検査をして血が混じっていてそのまま放置すると、検査した場合に比べて、大腸がんで亡くなる確率が5倍になるということです。全国的に見ると、検査が必要な人の約半分しか大腸内視鏡検査を受けていません。幸いにも、沢田内科医院で検査をして陽性と判定された人は、ほぼ全員が大腸内視鏡検査を受けています。

沢田内科医院では、この春までは内視鏡でポリープの切除をしていましたが、現在は行っていません。内視鏡でポリープを切除した何日か後に出血が起こることが時々あります。今の私の状況では、これに対応することができなくなったことが大きな理由です。また、出血に対応する設備の整った市内の医療機関が増えてきたため、沢田内科医院でポリープを切除する役割は終わったと判断したことも理由の一つです。今後は、診断のために能力を集中するつもりです。

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