弘前市が行う各種のがん検診は市内の医療機関でも受けることができます。沢田内科医院で行った大腸がん検診を集計してみたところ、この1年間で10人に大腸癌が見つかりました。がん検診ですので、症状がない人たちから見つかったものです。もっと多くの人が大腸がん検診を受けることで、大腸癌で亡くなったり、負担が大きい開腹手術をしなくてもよくなりますので、積極的に大腸がん検診を受けるきっかけになるように状況をお知らせいたします。

沢田内科医院に通院する患者さんは、がん検診を受けないと肩身が狭いと感ずるほど、がん検診を受けることを何回も言われています。今回は、大腸がん検診がどれほど役に立っているかを数字で確認してみました。また、健診センターからは受診数などの数字が公表されていますが、一つの開業医での状況は知られていません。そこで、消化器内科を専門とする沢田内科医院での実態を調べてみました。

平成21年7月から平成22年6月までの1年間に、大腸がん検診を受けた人は844人でした。専用の容器に便を2日分とってもらい、弘前市医師会健診センターへ提出して結果を教えてもらいます。がん検診は大腸の病気を疑って検査をするのとは区別されます。つまり、お腹が痛いなどの症状がある患者さんの便を調べるのとは違い、症状がない人の便の中に血液が混じっていないかどうかを調べたものです。当然のことですが、早い時期の大腸癌が見つかることになります。

844人のうち95人が便潜血陽性、つまり11%の人で便の中に血液が混じっていました。弘前市医師会などの大きな健診センターで調べると約6%が陽性です。今回、チェックされた人が多かったのは、医療機関を受診した何らかの病気を持つ人であること、元々大腸癌が多い高齢者が多かったことが原因と考えています。

95人のうち、81人、つまり、85%の人が大腸内視鏡検査で精密検査を受けました。企業健診が多い弘前市医師会健診センターでは精密検査を受ける人は50%ちょっとです。全国的にもこの程度ですので、顔を突き合わせて大腸がん検診を行っていることが、精密検査を受ける人が85%と多くなった原因だと考えています。

81人のうち、何の病気も見つからなかった人が37人、潰瘍性大腸炎1人、ポリープ34人、側方拡大型腫瘍5人、大腸癌4人でした。ポリープを切除して4人、側方拡大型腫瘍を切除して2人の大腸癌が見つかりました。つまり、全体で10人の大腸癌が見つかりました。この10人のうち、ポリープ癌と側方拡大型腫瘍の6人は内視鏡手術で治療が完了しました。また、目で見て診断できた4人のうちⅡcと言われる早期癌の人は、腹腔鏡で手術を行い、お腹を開ける手術はしませんでした。

つまり、大腸がん検診で見つかる大腸癌は手術してお腹を開けないで取り去ることができる癌が多く見つかるのです。毎年、大腸癌は数人くらいは見つかっているかなと思っていましたが、実際に調べてみて10人もいたことに私自身がびっくりしています。

大腸内視鏡検査は、検査の前に1.8リットルつまり1升ビン1本の下剤を飲むなど負担が大きいものです。それに、「大腸内視鏡検査は痛い」というのが通説です。でも、81人のうち盲腸まで内視鏡が入らなかった人は2人だけです。確かに痛かった人もいます。しかし、大部分の人は強い痛みを感じずに検査を終えています。特に、昨年、腸の中に入れる空気を炭酸ガスに代えてからは、検査を終わった後もお腹の不快感が非常に軽くなりました。どうか、恐がらずに検査を受けて下さい。人によっては、「胃のカメラよりも楽だった」という人もいるくらいですから。

弘前市の大腸がん検診の他に、市内の病院でチェックされた人、青森県総合健診センターの検診を受診してチェックされた人の中にもたくさん大腸癌が見つかっています。年に1回は大腸がん検診を受けて下さい。もちろん、胃がん検診、肺がん検診、乳がんと子宮がん検診も忘れないで受けて下さい。短い人生です、『早過ぎる死』を迎えないために。

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