教育勅語 (Wikipediaより画像引用

世間では、「教育勅語」が話題になっています。前にも読んだことがあるのですが、改めて読んでみました。原文はちょっと自分では解釈できませんので、意味が近いと思われる現代文での教育勅語を探してみました。

 私(明治天皇)が思うに我が皇室の御先祖様が国をお始めになったのは、遥か昔のことであり、その恩徳は深く厚いものです。
 我が臣民は忠と孝を守り、万人が心を一つにしてこれまでその美をなしてきましたが、これこそ我が国の最も優れたところであり、教育の根本も実にこの点にあります。
 あなたたち臣民は父母に孝行し、兄弟は仲良くし、夫婦は協力し合い、友人は信じ合い、人には恭しく、自分は慎ましくして、広く人々を愛し、学問を修め、仕事を習い、知能を伸ばし、徳行・能力を磨き、進んで公共の利益に奉仕し、世の中のために尽くし、常に憲法を重んじ、法律を守り、もし国家に危険が迫れば忠義と勇気をもって国家のために働き、天下に比類なき皇国の運命を助けるようにしなければなりません。
 このようなことは、ただあなたたちが私の忠実で良い臣民であるだけではなく、あなたたちの祖先の昔から伝わる伝統を表すものでもあります。
 このような道は実に我が皇室の御先祖様がおのこしになった教訓であり、子孫臣民が共に守らなければならないもので、今も昔も変わらず、国内だけではなく外国においても理に逆らうことはありません。
 私はあなたたち臣民と共に心に銘記して忘れず守りますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを切に願っています。

この中に12の徳目があります。

1.親孝行しよう
2.兄弟は仲良くしよう
3.夫婦は仲むつまじくしよう
4.友だちはお互いに信じ合おう
5.自分の言動をつつしもう
6.広く全ての人に愛の手を差し延べよう
7.勉学に励み職業を身につけよう
8.知識を養い才能を伸ばそう
9.人格の向上につとめよう
10.広く世の人々や社会のためになる仕事に励もう
11.法律や規則を守り社会の秩序に従おう
12.国難に際しては国と天皇のために力を尽くそう

教育勅語は、明治憲法発布の翌年(1890年)に、道徳の根本、教育の基本理念を教え諭すという建前で出された勅語(天皇が直接国民に発する言葉)です。明治憲法は、日本は「万世一系」の天皇、つまり永遠につづく天皇が治める国で、天皇は「神聖」で、国民は天皇に仕える「臣民」(家来)とされましたが、教育勅語も全く同じ考えです。

戦争が終わり、主権在民を原則とする「日本国憲法」のもとで、昭和23年、教育勅語は役割を終えました。私は、教育勅語の中で、儒教の影響が強く残る12の徳目だけを抜き出して、文面そのものを解釈すると誰もが良心的に認めることのできる、いつの時代にあっても通じる内容であると思います。しかし、教育勅語は軍国主義に利用されたことの背景をきちんと評価する必要があること、命の大切さ、人権や平等の大切さなどが述べられていないことなどが問題だとされています。


ついでに書きます。現在の教育基本法では、学問の自由を尊重しつつ、教育は次の目標を達成するために行われるものとするとされています。

1.知識と教養を身につけ、真理を求め、情操と道徳心を培い、健康な体をつくること
2.個人を尊重し、能力を伸ばし、自主自律の精神を養い、まじめに仕事をすること
3.正義、平等、協力、自他への敬愛を重んじ、公共の発展に寄与すること
4.命、自然、環境を大切にすること
5.伝統文化を尊重し、自国を愛し、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与すること



教育基本法をくだけた形で簡単に書きましたが、教育勅語の方が具体的に書かれていますね。最近、新聞で教育勅語の記事を目にすることが多いのですが、外来で聞いてみると、読んだことがある人がほとんどいませんでした。教育勅語がどういうものかだけでも知っておいた方がいいと思いましたので、沢田内科医院ニュースレターに載せました。

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