学校評議員という制度があります。平成12年に設けられ、地域住民が学校運営に参画する仕組みと位置付けられているようです。学校の教育目標・計画や地域との連携の進め方など、校長の行う学校運営について意見を述べるものとされています。

できるだけ幅広い分野から意見が聞けるように、保護者や地域住民などのうちから、学校評議員にふさわしい人を校長が推薦して決めるとのことで、私は県教育委員会から委嘱状を頂きました。

学校評議員は、学校運営などに関して意見を述べることを求められます。その際、個人の立場で意見を述べますが、どうしても自分が深く関わる限られた分野から見た意見になってしまいます。ですから、地域を代表する人の声を反映できているのか、心配になることがあります。

評議員会の議題としては、学校の教育目標や教育課程、遅刻など生徒の生活状況、進学状況、年度内に実施した行事などの報告、特色ある活動の説明、など全般的なことからかなり深く突っ込んだ内容まであります。

会議当日にこれらに関する資料が渡され、学校側の説明を聞きます。資料を見ながらすぐその場で意見を述べるのは、その学校に普段から接することなく、状況を把握していない私としてはかなり難しく、求められているレベルの意見になっていないのではないかと思うことがしばしばです。そのようなあいまいな理解のものに学校評価を行うことは、かなり無責任ではないかとも思います。

私は平成22年から3年間、弘前高校の学校評議員を務めました。自分の母校でもあり、校長も同年代だったこともあり、大きな教育目標からかなり具体的な内容まで話し合いができて結構面白かったです。そして、自分の高校時代と現在の高校の状況が大きく変わっていることを知りました。特にセンター試験が大きく影響して、勉強する態度が違いました。私たちの頃は、数学などは教室の進度とは関係なく独学で勉強する生徒が少なからずいましたが、今はそのようなことはないとのことでした。

授業を見ても、試験を意識して問題を解く授業が多かったのにはびっくりでした。これでは表面的なことしか勉強できないのではないかと思いました。そして、勉強方法も、先生が手取り足取りという状態で、すべてセンター試験で高得点を取ることを目標にしている印象を受けました。

平成25年から弘前南高校の評議員をしています。同じ県立高校で似た性格の高校ですし、他の人の意見を求めた方がいいと辞退したのですが、ぜひにということで引き受けてしまいました。

子どもの数が減ったことにより定員が少なくなったこと、弘前高校の男女比が固定でなくなったこと、弘前中央高校が男女共学になったこと、これらのことから市内の高校の性格が変わってきました。それぞれ特色を持たせようと努力しているようですが、理科教育に特色を持たせようとする南高校のメッセージが中学校の保護者や先生に伝わっているのか疑問でした。

弘前高校もそうですが、全国的に現役で大学に進学する数が多くなっているようです。かつては、半分が浪人して自分の志望する大学を目指し、「どうしてもあの大学へ」という生徒がたくさんいました。今は、「この辺でいいか」という生徒が多いのでしょう。もう少しチャレンジしてもいいのではないかと思います。しかし、先生方の話では、「保護者の意向で」とのことで、無難なところに落ち着くようです。

大手予備校の「代々木ゼミナール」が7割の施設を閉鎖するというニュースがありました。浪人がもっとも多かった時は30万人で、今は8万人まで減ってしまったということです。弘前高校と南高校の状況をみるだけでも、予備校が浪人生を相手にしている限り、ビジネスとして成り立たなくなっていることが理解できました。

学校評議員として外から意見を学校に入れるというより、先生方の方針や今の生徒の保護者の考え方が変化していることを知りました。むしろこちらが情報不足で昔の考え方をしているのではないか、学校評議員として務まるのかと心配になるほどです。私も古くなりました。

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