「大腸の検査は絶対やらない」、「あの検査はやるもんでね」、「死ぬ思いをした」、これらは大腸内視鏡検査に対する感想です。 肛門から体の奥深くまで入れてやりますので、確かに痛みを伴うことがあります。 便潜血反応での大腸がん検診でチェックされても、大腸内視鏡による精密検査を受けない大きな理由の一つが「検査が痛そうだから」と言われています。

内視鏡を盲腸まで入れた時のレントゲン写真です。 一番奥まで入れると、大腸はアコーディオンのように折りたたまれて、内視鏡は直線化します。

沢田内科医院では、毎年200~250件の大腸内視鏡検査を行っていますが、昨年は218件でした。 対象は大腸がん検診で便に血液が混じっていると判定された人が多くを占めています。 幸いにも沢田内科医院に通院する患者さんは大腸がん検診でチェックされるとほとんど抵抗なく大腸内視鏡検査を受けてくれます。 「胃の検査よりも楽だ」、「噂のような痛みはなかった」、「全然痛くなかった」、というのが検査を終わった多くの人の感想です。

これまでは、年間4~5人は目的の場所まで入れることができませんでした。 しかし、昨年の218件の検査では、目的の場所まで入れることができなかったのは1例だけでした。 そして、これまでの内視鏡と比べて明らかに痛みを訴える人が少なかったです。

これには訳があります。昨年1月から大腸内視鏡を新しいものに替えたからです。 これまで使っていた内視鏡は、検査中に内視鏡を硬くすることができるタイプでしたが、新しい内視鏡はこれまでのものよりも軟らかく、 先端部分が曲がりやすいように改良されたものです。この威力が抜群でした。

胃の内視鏡は胃の中に入れるのは比較的簡単で、初心者でもすぐに入れることができます。 しかし、異常かどうかの的確な判断を下すには長いトレーニングを要します。 これに対して大腸内視鏡の手技は難しく、入れるためのトレーニングが必要です。実は、大腸内視鏡の挿入方法は医師により千差万別なんです。 それぞれがちょっとした工夫をして大腸の奥深くまで入れる手技を身に付けているのです。

私はフードを内視鏡の先端につけ、大腸を膨らませるために炭酸ガスを使っています。そして、入れる時は空気と水を吸い取りながら入れています。 こうすることで、お腹が膨らみませんから痛みがないのです。この方法で、どこかで「死ぬ思い」をした人でも楽々検査を終えることが出来るのです。 大腸内視鏡は改良を重ねていますが、1本の値段はちょっとした乗用車1台分です。頻繁に買い替えるわけにもいきません。 ちなみに、現在のものが4台目です。

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