医院でのこぼれ話


その1 ある日の病棟での会話

危篤状態から回復して、小康状態になり、やっと歩けるようになった 患者さんのことについて看護婦の井上まり子さんとの会話。

「年寄りの患者さんは、元気に見えても、いつ、どう転ぶか分からないから注意しないとね。」
井上
「斎藤さん(仮名)は、転ばないように手すりにつかまりながら歩いてます。」
「・・・・・・??」
井上
「・・・・・・。」


その2 外来での会話

腰が曲がり、整形外科へ通っても痛みがとれず、先に逝った旦那さんも迎えに来ないという患者さんとの会話。

患者さん
「腰の痛みは、死なねば治らねな。」
「死んだ人と話をしたことがないので、死んだら治るかどうかは分からないよ。 向こうに行っても痛いままかも知れないので、やはり諦めない方がいいよ。」
患者さん
「それもそんだなぁ。それにしても、長生ぎし過ぎでしまった。」
「向こうは、居心地がいいのかどうか、行って戻ってきたという話は聞いたことがない。 旦那さんもなかなか迎えに来ないでしょう。」
患者さん
「いい思いしてるんだびょん。」
「行って邪魔になるかもしれないから、まだ行かない方がいいみたいだね。」
なお、全国に発信している関係上、分かりやすくするために、私の言葉遣いは標準語で記載しました。 「いい思いしてるんだびょん」は、「いい思いしてるんでしょう」という意味です。