医療機器は年々新しくなっています。沢田内科医院は開業から12年が経ちました。その間に、内視鏡は何本も買い換えました。血液検査の器械も換えましたし、眼底カメラも新しいものにしました。換える理由は、診断能力が高くなること、器械自体が古くなって使えなくなること、検査の伴う患者さんの苦しさが軽くなること、などです。

開業した翌年の平成8年、細い胃内視鏡(いわゆる胃カメラ)が出ました。私は今までと違う新しいものが出るとすぐに飛びついてしまいます。その時も発売されると同時に手に入るように予約注文しました。この内視鏡は以前のものよりも細いので、患者さんの苦痛はかなり少なくなりました。平成15年には同じ太さで解像力が良くなった機種が出ました。患者さんの苦痛の程度は同じですが、私の診断能力が向上しますので、これもすぐに購入して使いました。そして、平成18年にはさらに細い現在の内視鏡が出ました。これは鼻を通して胃の中へ入れることができますので、患者さんの苦痛はさらに軽くなりました。現在は、これを使って年間約1,200件の胃内視鏡検査を行っています。

血圧はずっと同じではなく、1日のうちで高くなったり低くなったりします。受診時だけ高くて、自宅では何ともない人もいます。これを確認するために24時間血圧を測定する方法があります。沢田内科医院に通院するほとんどの高血圧の患者さんは、この方法で血圧の動きを確認しています。平成7年から行っていますが、この検査はこの4月からやっと保険適応となりました。つまり、これまで24時間血圧を測定した料金はタダだったのです。これまでは2台の器械を使っていましたが、それでは足りないため3台に増やすことにしました。ところが、保険適応になった途端に導入する医療機関が増えたため、注文しても品不足で手に入れるまでちょっと時間がかかりました。

今回は、レントゲン装置を新しくしました。デジタル処理するものです。これまでのレントゲン装置と比べても患者さんの負担は同じです。しかし、フィルムを使わずデジタル保存し、診断能力は多少向上します。レントゲンフィルムは保存するためにスペースが必要ですし、フィルムを探し出すのも大変です。しかし、デジタル装置ではレントゲンフィルムを使いませんので保存スペースは要りません。また、デジタルの最大の利点ですが、見たいフィルムは探しに行かなくてもパソコン上ですぐに読み出すことができます。

前の写真と比べて読むことで、診断の正確さが増しますので、私のメリットとともに患者さんのメリットにもなります。購入資金は多額で経営上の負担は大きく、まだ使えるレントゲン装置をなくして新しい装置を入れるという無駄がありますが、これ以上にメリットがあると判断して新しくすることにしました。また、現像する時間が要らなくなりましたので、写真を撮ってから結果が分かるまでの時間が非常に短くなりました。ご期待下さい。

超音波検査装置も新しくしました。これまでの装置と比べて、画像の解析能はあまり変わらない気がするのですが、メーカーの話だと少し向上しているのだそうです。動脈硬化の指標となる血管の検査ができること、画像をデジタル保存できること、などの長所もありますし、臨床検査技師の宇野さんが超音波検査士の試験をパスする目処もできましたので、新しくすることにしました。

幸いなことに、患者さんがたくさん来てくれますので、これらの医療器械は有効に使うことができます。使われると、新しい機種に更新することもできます。たくさんの検査がありますが、検査は診断を確実にするため、治療効果を確認するために使います。中には、安心のために検査をすることもあります。私は検査に頼る診療は好きではありませんので、不必要な検査は極力しないようにしています。