特定健診や家族の健診は、勤めている人の会社の健康保険組合、小さな勤務先では協会けんぽ、その他は弘前市の国保が行います。これに対して、がん検診は市町村が行います。保険証が弘前市国保の人は、特定健診は国保年金課が行い、がん検診は健康づくり推進課が行っています。どちらも弘前市医師会健診センターが行っていますので、表面上は同じなんですけど、いろいろ複雑なんです。

昨年、沢田内科医院では大腸がん検診を1,228人に行いました。便潜血検査キットは沢田内科医院に持ってきますが、検査は弘前市と契約した弘前市医師会健診センターで行い、結果は郵送で通知します。検診ではなく、病気を疑った場合の便潜血検査はこれとは別に沢田内科医院で行っています。

弘前市が行う胃がん検診はバリウムを使ったX線検査で行っています。内視鏡検査で胃がん検診を行うことはできません。胃内視鏡検査は、お腹が痛い、胃や十二指腸に病気が疑われる、胃がんが心配だ、などの時に行います。一部の勤め先の会社の検診や西目屋村ではできますが、内視鏡検査で胃がん検診はできないのです。

その理由は、内視鏡検査で胃がん検診を行い、死亡率が下がったということが証明されていなかったからです。X線検査での胃がん検診の精密検査は胃内視鏡検査で行いますので、不思議に思うかもしれませんが、集団でのデータがなかったのです。

この4月に国立がん研究センターから、胃がん検診を内視鏡検査で行うことが妥当であるという政策提言がなされました。これまで、日本で公表されたデータや韓国で行われた胃がん検診の結果から、内視鏡検査により胃がん検診では、X線検査と同様に死亡率が減少するということが確認されたからです。これを受けて、厚生労働省で検討され妥当であると認められれば、内視鏡検査による胃がん検診が行われることになります。

弘前市医師会では、内視鏡検査による胃がん検診が行われるということを見越して、昨年12月から準備を始めました。アンケートの結果、弘前市では年間約20,000件の胃内視鏡検査が行われていることが分かりました。開業医で約1万件、病院で約1万件です。沢田内科医院では昨年1年間で約1,800件でした。

内視鏡検査による胃がん検診には約30の医療機関が参加する予定です。がん検診はダブルチェックといって二人の医師が判定することになっています。弘前市では、個別の医療機関で行った内視鏡画像を医師会に集め、検査を行った医師の他に消化器内視鏡専門医がチェックし、より精度の高い結果が出せるように計画しています。

日本では、年間約13万人が胃がんになります。男性が9万人、女性が4万人と男性が女性の約2倍です。弘前市では胃がんの発症数は分かりませんが、毎年95人が亡くなっています。死亡数ですが、やはり男性が女性の約1.5倍です。

弘前市で昨年10月から行っている胃がんリスク検診の結果をみると、ピロリ菌の感染率は男女差がありませんでした。大部分の胃がんの原因がピロリ菌だとしても、塩分、お酒、たばこなど、生活習慣が大きく影響していることが分かります。また、どのがん検診にも共通なのですが、男性の方が女性に比べて受診率が低いのも死亡率が高い原因だと思います。つまり、病気が進んでから医療機関を受診する人が多いということです。

胃がん検診が内視鏡検査で行うことができるようになった場合、弘前市ではすぐにでも対応できます。ご期待下さい。なお、内視鏡検診が行われるようになっても、バリウムでの検診がなくなるわけではありません。胃がんリスク検診もできます。胃がんで亡くなる人ができるだけ少なくなって欲しいと思っています。

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