看護師には准看護師と看護師の2種類があります。 実際に働いている場では、ほとんどその違いはないのですが、 例えば、訪問看護ステーションの管理者には准看護師はなれないなどの制約があります。 わが国では、准看護師を少なくし、看護師を増やそうとする動きがあります。 さらに、看護師の養成は、大学の学部教育で養成する傾向にあります。 例えば、弘前市内では、弘大医学部看護学科ができましたし、4月からは弘前学院大学看護学部ができます。 何年か前に青森市の青森高等看護学院は青森県立保健大学になりました。

現役で働いている准看護師に対して、通信制で看護教育を行い、 看護師国家試験の受験資格を与えるという制度があります。 構想段階では、卒業に必要なある程度の単位を放送大学で 取得した単位で代えることができることが分かっていましたので、 青森県でこのような学校ができることに備えて、 2年前から私たちの医院の准看護師5人が放送大学に入学して勉強して来ました。

ここ2年間で大分県や山口県、近くでは東京に通信制課程が開設されました。 しかし、通信制とはいえ、青森からはとても遠くて入学できません。 それが、東北地方では初めて、今年4月に八戸看護専門学校に通信制課程が開設されることになりました。 早速、願書を取り寄せ、小論文を書いて申し込み、2人の入学が認められました。 不確かな情報ですが、約120人が入学するようです。

これまでに放送大学で取得した単位が認められますが、これから2年間で全単位を取得するのは大変だと思います。 しかし、大変だからこそ、価値があるものです。2週間や1ヶ月の講習や、 片手間に勉強して取れるような資格とは違います。 途中で投げ出したくなったり、何でやらなければならないのだろうと 自問しながら勉強するであろうことは明らかです。それくらい大変なことです。 しかも、この学校を卒業しても、看護師国家試験の受験資格を得るだけで、 国家試験に合格しなければ看護師にはなれないのです。

通信制課程の受験資格は、准看護師として10年間の実務経験があることです。 この10年間の経験を、通常の大学の看護学部や看護学校の学生が病院で行う実習の代わりとしてくれます。 改めて勉強し直すことで、自分の仕事の内容をさらに深く理解し、看護師という仕事が、 さらにやりがいのある仕事になって欲しいと思っています。 強制しているわけではありませんし、希望者だけがチャレンジするのでしょうが、 来年も誰かが入学することを期待しています。

今回、八戸看護専門学校に入学するのは、井上真利子さんと清野法子さんです。ともに、2児の母です。