ニュースレター17号でお知らせしましたが、弘大卒後臨床研修として、横山公章先生が10月1日から31日まで臨床研修を行いました。 横山先生はこの3月に弘大を卒業した新人医師です。 4月から弘大附属病院で内科研修を6ヶ月間受け、2つ目として私たちの医院へいらっしゃいました。 弘大では、心筋梗塞や狭心症など重篤な病気の診療が主体で、病棟での研修ですので、最初は私たちの医院での研修には戸惑ったようです。大学病院の外来にはたくさん患者さんが通院しています。 しかし、大学病院の性格上、重症な患者さんが多く、数が多い日常的な病気について学ぶ機会がどうしても少なくなります。 それを補うのが、診療所での臨床研修なのです。たくさんある病気をたった1ヶ月の研修でマスターすることは不可能です。 また、検査など手技的なことは大学病院などで専門的に訓練されますので、 今回の研修では、患者さんから話を詳しく聞いて状況を把握することと、 自分自身の耳、目、手を使って患者さんの身体所見をとること、この二つを大きな目標としました。

まず、病歴といいますが、なぜ受診したのか話を詳しく聞きます。 たっぷり時間をかけて話を聞きますので、これでどこが悪いのか大体判断ができます。 そして、頭から足まで異常がないかどうかを診察します。それらの結果をカルテに書いてもらい、 次に私が診察して正しいかどうかを比べて見ます。 これを繰り返すことで、甲状腺が腫れている、肝臓が大きい、脾臓が腫れている、お腹のリンパ節が触れる、 子宮筋腫がお腹から触れる、腹部の血管が腫れている、呼吸音が異常だ、などが判断できるようになりました。

いつもより時間をかけて診察しましたので、『今日は、全身をすごくマデニ診てもらいました』と、 いつも私が手を抜いて診察していることがバレてしまいました。 横山先生が都合で休んだ日には、『横山先生の研修は終わったんですか?』と尋ねる患者さん、 『若い先生に診てもらいました!!』と嬉しそうに話してくれる患者さん、 『いいお医者さんになるように頑張ってください』と励ましてくれる患者さん、 私と横山先生の診察結果が違うので、何回もお腹を出して診察させてもらった患者さんもいました。

横山先生にとっては、弘大第2内科で治療を終わって私たちの医院に転院した心筋梗塞の患者さんが、 どのようにしているのかも知ることができたようです。 そして、心筋梗塞の患者さんが弘大へ運ばれた時も一緒に救急車に乗って行く経験ができました。 大学病院にいると、心筋梗塞の患者さんは救急車で運ばれてきますが、町の医院へは心筋梗塞を起こしていても、 歩いてきたり、自転車できます。大きな病院であれば入院するのが当然な病気でも、町の医院では通院で治療していることもあります。

横山先生にはいろいろな経験ができたと思います。これからどの分野の専門医になっても、 患者さんの一部を診るのではなく全体として考え、そして 社会の中で生きている患者さんを診ているのだということを忘れないでいて欲しいものです。

今回の臨床研修では全ての患者さんが喜んで協力して下さいました。本当にありがとうございました。

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