臨床検査技師の宇野洋子さんが、日本超音波医学会認定の超音波検査士試験に合格しました。
4年前から準備し、年平均1,200件の超音波検査をすべて私がチェックしてトレーニングを行ってきました。技術面では万全でしたが、昨年は理論面の試験があまりにマニアックであったためか合格点に達しませんでした。

超音波検査士は、臨床検査技師や看護師など医療資格を基礎として、超音波に関する学術的な知識と超音波検査技術がともに優れていると認められた場合に認定されます。私が診療に専念できるように、平成17年4月に『四十の手習い』になる超音波検査を行う条件で臨床検査技師の宇野さんを採用してトレーニングを開始しました。

3年後の平成20年に受験できると思っていたのですが、私の勘違いで受験資格ができたのは昨年でした。5年で目的を達したことになります。この5年間、1人で勉強したわけではありません。弘前市内には超音波を勉強しているグループがありますので、それに混じって勉強もしました。私の友人で、超音波検査のパイオニア、青森県総合健診センター所長の須藤俊之先生にもお世話になりました。ありがとうございました。

日本超音波医学会のホームページに超音波検査士の資格を持っている人たちの一覧があります。東北6県で消化器を専門とする超音波検査士は389人認定されていますが、青森県では28人しかいません(平成22年1月現在)。 それも青森県立中央病院など大きな病院と弘前市医師会健診センターなどに所属していて、医師が1人だけの医療機関は宇野さんが最初ということになります。東北全体を見ても、開業医に所属する超音波検査士は数えるほどしかいません。ちょっとびっくりです。そして、宇野さんはすごいことをしたんだなぁと、ちょっと誇らしげになりました。

年間約1,200件の超音波検査を5年間続けてきました。最近は肝臓の病気と不確かな場合を除いて宇野さんだけの検査で終了としています。初期の目的である、私が診療に専念することが現実になってきました。宇野さんは、「この年になって試験を受けるなんて思ってもみなかった」と言っていましたが、いくつになってもチャレンジ精神を持って、緊張感を持って仕事をすることを期待しています。