吉澤秀香さんから『誰人天下賢』

私が高校時代に教わった『誰人天下賢』の五言絶句の漢詩を吉澤秀香さんが書いて下さいました。吉澤さんは新聞でも度々紹介されていますので、みなさんご存じのことと思いますが、弘前市はもちろん全国的に活躍する有名な書家です。

名山出名士 (名山名士を出す)
此語久相伝 (此の語久しく相伝う)
試問巖城下 (試みに問う巖城の下)
誰人天下賢 (誰人か天下の賢)

この漢詩は一般的には『名山詩』と言われていますが、弘前が生んだ明治のジャーナリスト陸羯南(くがかつなん)によるものです。平成18年に発行した沢田内科医院ニュースレター33号に詳しく書いたことがあります。

私の母校である西目屋中学校は今年の4月に弘前市の東目屋中学校に吸収合併されてなくなってしまいました。西目屋村教育委員会から頼まれて、その直前に後輩の在校生に講演しました。「天下の賢を心の中に」という題名にしましたが、この講演の基になったのがこの『誰人天下賢』でした。このことはニュースレター86号でお知らせしました。

アユ(西谷鮎子)と比べると大きさが分かります

この講演会のことを陸奥新報が書いてくれました。それを読んだ吉澤さんが「感動しました!」と言ってこの漢詩をしたためて下さいました。力強いすばらしい書です。自分だけが眺めていてももったいないと思い、表装してもらいました。時々お願いしている表具店の人もこんなに大きいのは作ったことがないと軽トラックで運んできてくれました。

どんな大きさになるのか分かりませんでしたので、出来上がってからどこに掲げるかを決めることにしていました。予想よりも格段に素晴らしいものでしたので、待合室を改装して受付の横に掲げることにしました。ほぼ壁一面です。

この五言絶句は私の心の拠り所ですので、沢田内科医院の精神的なバックボーンでもあります。ですから、待合室のど真ん中に置くのが当然のことだと自分ひとりで納得しています。この大きな額、力強い書に興味を示してくれる人は少なくありません。これを解説したパンフレットを作ってみなさんが持ち帰れるようにしますので、しばらくお待ち下さい。

吉澤秀香さんとは市内の会合で知り合いになり、いろいろな人を介してたくさんの繋がりがあります。素晴らしい書をほんとうにありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。素晴らしい書です!!外来の改装が完成した後に、もう一度ニュースレターで公開しますのでご期待下さい。