<< 検診を受けたら、結果を持ってきて下さい!! >>

がん検診の他に、検診では貧血や肝機能検査などがあります。これらは、命に直接結びつく病気を 見つけるのにはあまり役に立ちません。むしろ、異常だと言われると、不必要な心配の種になるこ とが多いです。

貧   血

検診で見つかる貧血はほとんどが鉄欠乏性貧血です。治療を必要とすることは少なく、むしろ、鉄 欠乏性貧血と言われた場合には、子宮筋腫や胃の病気など、出血している病気がないかを調べるこ との方が大事です。特に、男性の貧血は、何か病気が隠れている場合が多いので、単純に鉄欠乏性 貧血として治療する前に、きちんと検査を受ける必要があります。また、年をとると、血液は少な くなってきますので、貧血と言われても、年相応の場合には治療の必要はありません。

肝機能検査

いわゆる肝機能の場合はどうでしょうか。最近は、「C型肝炎ウイルス」、「B型肝炎ウイルス」の 検査も節目の年齢の人は受けることができますが、検診で肝機能に異常があると言われる場合は、 ウイルスによる肝炎は少なく、肥満による脂肪肝、アルコールによる肝障害が大部分です。特に、 γ-GTPはお酒を飲むと上昇してきます。これは、「このままでは将来、肝臓を悪くしますよ」とい う警告だと受け止めていいでしょう。肝機能を解釈する場合には、肝臓が悪いことを心配するより も、その裏に隠れている、コレステロールや中性脂肪が高くなる高脂血症、糖尿病、アルコールの 飲み過ぎ、などに注意することがもっと大事です。

高脂血症、糖尿病

生活の変化により、コレステロールが高い人が多くなりました。中性脂肪も同じです。これらが高 い場合には、まとめて「高脂血症」と言われます。糖尿病も症状がない時期に検診で見つかること が多くなりました。どちらも食事の影響が大きく、1回の検査で診断を確定することはできません。 検査を繰り返したり、他の方法で本当に病気があるのかを確認する必要があります。

検診の結果は、受診時に持ってきて下さい

いずれにせよ、検診の結果を正しく解釈して、不必要な治療を行うことはなくしたいものです。 逆に、糖尿病などは早めに発見して、合併症が進行しないようにしなくてはいけません。 検診を受けた場合には、結果を持ってきて下さい。私の方で結果を解釈してお知らせします。 検診結果をカルテに貼っておくことで、私の方でも不必要な検査を繰り返すことを少なくすることができます。